2012年1月30日月曜日

職探し・転居 手伝い今後も

滋賀県聴覚障害者福祉協会職員の田中欣也さん(32)(大津市)は、同県が宮城県名取市に派遣した手話通訳者3人のうちの1人として、5月26日から31日まで、現地で聴覚障害者の相談を受けました。
 田中さんは両親が聴覚障害者で、2000年に資格を取得しました。幼い頃、両親をサポートしてくれた通訳者に感謝し、「いつか自分も恩返しをしたい」と思っていたといいます。
「今後も、被災者の職探しや転居のお手伝いをしたい」と話す田中さん
 名取市役所は、津波の被害を免れましたが、沿岸部には多くのがれきが残り、大震災から2か月以上たった当時でも、その爪痕ははっきりと残っていたそうです。市内で手話通訳が必要な障害者は約60人おり、そのうち8人は自宅が全半壊したとのことでした。
 午前中は市役所で通訳を務め、午後からは聴覚障害者が暮らす避難所や仮設住宅などを訪問した田中さんは、義援金支給の手続きや、情報の入手に欠かせないファクスなど生活物資の給付申請を受け付け、生活再建を支援しました。
 家が全壊し、手話で会話していた家族と別居していた障害者もいたそうです。多くは、テレビやラジオでは十分な情報を得られません。筆談でも真意が正確に伝わらない場合があります。そんな方を訪問した際、田中さんは通訳者の重要さを痛感したといいます。
 寂しさや不安を感じているようでしたが、田中さんを温かく迎え、「遠い滋賀から来てくれてありがとう」と逆に励まされたそうです。活動を終えて帰る際、70歳代の夫婦からは「来年、京都である全国ろうあ者大会に行けるように頑張るから、再会しよう」と言われ、握手して別れました。
 田中さんは「聴覚障害者が仕事を探したり、転居したりする時に、手話通訳が必要になる。また名取市を訪ね、そのお手伝いをしたい」と話しています。


2011年6月22日  読売新聞)

発達障害への支援強化 滋賀県、福祉計画案

滋賀県は、来年度から3年間の新たな障害者福祉しがプランの骨子案をまとめた。増加する発達障害者向けの対応を強化する方針を打ち出したほか、暮らしや雇用、活動などを支援する重点プロジェクトを拡充する。  大津市の県職員会館で開いた県障害者施策推進協議会に提示した。新プランは障害者福祉政策の基本計画で、本年度で5年間の計画期間が終わる現行プランの目標などを継承する。今後、数値目標や実務をめぐって市町などと調整し、本年度中の策定を目指す。
 県は、暮らしと雇用の重点課題に発達障害者への支援を掲げた。昨年度の特別支援学級の児童・生徒は2006年度比1・6倍の2553人に増え、公立の小・中・高校で特別支援を受ける必要がある児童・生徒の割合は小学校で7・6%、中学校で4・8%に上る。このため具体策として保健、教育、労働分野と福祉の連携、成人期や家族向けの支援などを挙げた。
 このほか障害者が地域で暮らしやすくするための在宅サービス拡充、一般就労の促進、自立できる社会基盤の整備、文化活動の後押しなどを盛り込んだ。


京都新聞【 2011年09月05日 22時20分 】
 

2012年1月20日金曜日

障害者雇用促進へ 滋賀県、9月にも協議会設置

滋賀県は、民間企業の障害者雇用を促進するため、滋賀労働局や経済団体などと課題や対策を話し合う協議会を設置する方針を固めた。9月にも初会合を開き、障害者雇用率を引き上げるための政策立案に乗りだす。
 県の商工観光労働部と健康福祉部、県教委が連携する新たな体制を組み、政策効果を高めるとしている。協議会は、県の各部局、県教委のほか、経済や福祉団体など関係機関の担当者ら10人程度で構成する方針。
 滋賀労働局の集計によると、県内民間企業の昨年6月1日現在の障害者雇用率は1・69%と7年連続で法定雇用率1・8%を下回っている。このため協議会では、法定雇用率が適用になる従業員56人以上の企業の5割近くを占める未達成企業に早期達成を促す仕組みを構築する。合わせて適用対象外の中小企業にも障害者雇用の利点や先進事例の紹介といった雇用を後押しする手法も研究する。
 協議会の事務局を担当する県商工観光労働部は「企業の雇用率を高めることが最大の目的。企業や福祉関係者の声を聞き、県ができることを考えたい」(労働雇用政策課就業支援室)としている。
 9月の障害者雇用支援月間の取り組みも強化する。期間中の就職面接会を昨年の1回から2回に増やし、27日に草津市のクサツエストピアホテル、29日に彦根市のビバシティ彦根でそれぞれ催す。

京都新聞【 2011年08月25日 22時37分 】

2012年1月19日木曜日

「びわこ学園」特別加算で市長会、県の全額負担要求へ

滋賀県市長会(会長・目片信大津市長)は12日、大津市内で臨時会合を開き、県から折半負担を提案されていた重度心身障害児(者)施設「びわこ学園」の特別加算について、現行通り県の全額負担を求めることを全会一致で決めた。
 県は同学園に対し、入所者1人当たり月額6万8千円の特別加算を独自に設けている。法改正で4月から18歳以上の援護主体が県から市町に移るため、県は18歳以上分を市町と折半する案を提示。さらに通所支援として通所者の医療ケア充実や施設整備をした事業者への補助制度を提案していた。
 会合には10市長と3市の副市長が出席。冨士谷英正近江八幡市長が「市の負担が増えるうえに、福祉充実になっていない」と反論。獅山向洋彦根市長も「通所支援は本来県がやるべきところを市町が取り組んできた。半分負担が前提はおかしい」と主張した。
 ほかの市長らは県案に賛成したがまとまらず、県案を受け入れず現行制度の継続を求めていくことで合意した。県障害者自立支援課は「詳細を聞いた上で検討したい」としている。また冨士谷市長が県と市町長、議長らによる「協議の場」の創設を提案、役員で検討することを決めた。


京都新聞 1月12日(木)23時29分配信