2012年2月24日金曜日

障害者アート支えたい 伏見拠点にNPO結成

障害者の美術活動を支え、社会的評価につなげようと、京都市の美術家や総合支援学校の職員らがNPO法人を作り、伏見区を拠点に自由な制作会を開いている。滋賀県などに比べて「障害者アート」の支援体制や広がりがいまひとつという京都。「これから盛り上げたい」と展覧会も企画している。

昨年8年、伏見区の呉竹総合支援学校の教員や同学校の造形授業を手伝う美術家ら8人がNPO法人「障碍(しょうがい)者芸術推進研究機構」を結成。理事長で京都精華大名誉教授の松谷昌順さん(68)が生徒の作品に「これは天才だ」と感動したことから「天才アートミュージアム」の愛称で活動し、月に1~2回、学校などを借りて障害者のための制作会「アトリエ会」を催している。

会では、松谷さんらが教室の一角に画材を用意。卒業生を中心とした参加者はそこからクレヨンや絵の具を選んで思い思いに手を動かしている。同学校の元校長でNPO副理事長の重光豊さん(63)は「これまで学校を離れると創作の場がなかった。将来はアトリエ会の常設会場を見つけ、多くの人に参加してもらいたい」と夢を描く。

展示を通じて理解を図る活動も進めている。3月10~17日に東山区総合庁舎で、4月3~15日には中京区の堀川御池ギャラリーで市内の障害者らの作品を集めた展覧会を催す。松谷さんは「作品を評価してもらい、収入につながる商品化を目指したい」と話している。

障害者アートは収集や研究が盛んな欧州に倣って、「アール・ブリュット」(フランス語で「生の芸術」)や「アウトサイダーアート」などと呼ばれる。滋賀ではパリで日本の障害者の大規模展を成功させた県社会福祉事業団が力を入れる。

障害者の美術活動を支え、社会的評価につなげようと、京都市の美術家や総合支援学校の職員らがNPO法人を作り、伏見区を拠点に自由な制作会を開いている。滋賀県などに比べて「障害者アート」の支援体制や広がりがいまひとつという京都。「これから盛り上げたい」と展覧会も企画している。

思い思いに絵を描く「アトリエ会」。集中できるよう教室の壁に向かって座る人が多く、多彩なイラストや絵画が生まれている(京都市伏見区・呉竹総合支援学校)
思い思いに絵を描く「アトリ
エ会」。集中できるよう教室の
壁に向かって座る人が多く、
多彩なイラストや絵画が生
まれている(京都市伏見区・呉竹総合支援学校)

京都新聞【2012年02月04日 09時05分】

2012年2月23日木曜日

知的障害者レジOK iPadアプリ開発

県センター 立命大院生が協力

立命館大大学院の学生らが開発した障害者向けのレジ機能を持つiPad専用アプリ(草津市で)
 
県社会就労事業振興センター(滋賀県草津市)が立命館大大学院理工学研究科2年・北裕介さん(24)の協力で、多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」で商品登録や現金精算などを簡単に行えるレジ機能のアプリを、知的障害者向けに開発した。

iPadの利用で視覚的に操作できるようになるとともに、従来の同様のシステムより低価格になった。県内の福祉サービス事業所で試験的に使い始めており、将来はアプリの販売も検討するといい、関係者は「知的障害者の就労の可能性が広がる」と期待している。
ソロ CANこと0最後否定
知的障害者は現状では就労しても単純作業が多く、現金を扱うレジを担当させてもらえないことが多い。今年度から同センターが県内の事業所に呼び掛け、障害者が県内の野菜や日用品を山間部の集落に出張販売する「ぎょうれつ本舗」に取り組むが、売買の際の現金授受は同行する職員が担当している。

今回のレジ機能アプリの開発は、センター職員らが「障害者もレジが使えれば、就労の幅が広がるはずだ」と考え、知り合いのブログ運営会社の関係者に相談。昨年10月、同大学大学院で情報工学を専攻する北さんの紹介を受けた。

北さんは約1か月で、レジ計算できるiPad専用アプリを開発。事前に商品名と写真を登録し、iPad画面の写真に客が購入した個数と同じ回数だけタッチすると、合計額が自動的に計算される。
会計画面には紙幣と硬貨の画像が表示され、「2000円渡されたら1000円札の画像を2回」といったように、受取額と同じ回数だけ画像に触れれば、釣り計算もしてくれる。

従来のレジシステムはパソコンや携帯情報端末(PDA)などで開発されているが、数十万円と高価下押しだったり操作が難しかったりして、障害者施設に普及していないという。同センターの細川隆司・事業アドバイザーは「日本初のシステムを滋賀発として普及させ、障害者の自立の前進に役立てたい」と話している(矢野彰)

(2012年1月29日読売新聞)

2012年2月16日木曜日

触法精神障害者:入院施設計画 「医療観察病棟」4日意見交換会--大津 /滋賀

県が計画する触法精神障害者の入院施設「医療観察病棟」についての討論・意見交換会が4日午後1時半から、大津市青山5の市民センターで開かれる。青山学区社会福祉協議会が主催。
 同病棟は心神喪失者等医療観察法に基づき、刑事責任を問えない精神障害者の入院施設。草津市笠山8の県立精神医療センター内に建設が予定され、隣接する大津市青山学区の住民らが「十分な説明がない」などと反対している。
 当日は、精神科医や県精神障害者家族会連合会を招き、医療現場や患者側から講演がある。同法や地域住民との関わりについて意見を出し合う。

毎日新聞 2012年2月2日 地方版

2012年2月13日月曜日

軽四移動商店街「ぎょうれつ本舗」-共に支え合う新しい仕組み

障害者を雇用する福祉事業所や就労支援に関わる企業などが連携し、高齢化の進む地域へ食料品や日用品を数台の軽四トラックを連ねて移動販売する取り組みが進んでいる。名付けて「ぎょうれつ本舗」。滋賀県社会就労事業振興センター(草津市)が企画し、大津市、高島市などで月4回、開催されている。

 1月27日は大津市比叡平自治会館「やまびこ」で12時から開催された。パンや野菜、菓子、果物、衣服などを支援者や家族の助けを得ながら障害者自らが販売した。

 このうち、菓子を販売する障害を持つ男性の母親は「ぎょうれつ本舗を新聞で知り参加を決めた。来店者とふれあい商いをしているうちに、とても明るく何にでも積極的に取り組むようになった」と話す。
 利用客の一人、北川和子さん(大津市比叡平)は「ここはふれあいが楽しい。大勢の人としゃべってお買い物がてできて毎回楽しみにしている」とほほ笑む。

 同センター事業アドバイザーの細川隆司さんは「障害者が販売するから買ってもらえるという考えから、お客さまの求めに応えられる販売へと変えることで、互いが支え合う仕組みができ社会貢献につながる。高齢化が進む日本では近い将来このような販売方法が当たり前になるのでは。その先駆けになれれば」と意欲を見せる。

 この取り組みは、高齢者の見守りや生活支援、福祉事業所の工賃増や販路拡大に役立つモデル事業として県も助成している。

 
軽四移動商店街「ぎょうれつ本舗」-共に支え合う新しい仕組み
障害者と地域住民がふれあう軽四移動商店街「ぎょうれつ本舗」
(2012年02月01日)びわ湖大津経済新聞

2012年2月10日金曜日

立命大生、雪かき手助け 高島でボランティア

記録的な豪雪にみまわれた滋賀県高島市で、立命館大の学生たち15人が9日から、3泊4日の日程で「雪かきボランティア」を始めた。初日は朽木東小の周辺で除雪に励んだ。
 立命館大ボランティアセンターが昨冬に続いて企画した。今回、高島市社会福祉協議会が事前に地域の状況を調べ、高齢・過疎化の進む今津町椋川地区、朽木能家地区などで作業することにした。
 学生たちは、朽木東小で児童たちと縄とびや雪遊び、給食を共にして交流。昼から2時間近く、背丈ほどの積雪で埋まった校舎横の避難路や、給食調理室の周りで除雪した。固まった雪をスコップで砕き、運んで通路を確保した。

朽木東小で、雪に覆われた避難路を確保するため雪かき作業に励む立命館大の学生たち(高島市朽木)
朽木東小で、雪に覆われた避難路を確保するため雪かき作業に励む立命館大の学生たち(高島市朽木)

10日以降は2地区で民家周辺の雪かきをするほか、朽木地域の各バス停を巡り、待合室の周りに積もった雪を取り除く。
 立命大1年の富雄暉(とみゆうき)さん(19)=草津市岡本町=は「これほどの積雪は初めて見た。皆で作業するとはかどり、雪の量が減ると達成感がある。何か人の役に立ちたいと思い参加したので、集落での雪かきも楽しみです」と話した。

【 2012年02月10日 10時56分 】京都新聞