2012年5月10日木曜日

現場から記者リポート:滋賀から「真心こいのぼり」 「祈りと願い」岩手・宮古の空に /滋賀

大震災の前、一緒に東北を旅した夫を亡くした女性(近江八幡市)は「主人を頼りに生きてきた私は(中略)医師の言葉に励まされました。『何もがんばらなくてもいいよ。いつも通りにすればいいんだよ。命が終えても魂まではなくなったりはしない』。(中略)こいのぼりが縁で、まちづくり委員会の活動を知ることができて良かったです。東北に『元気』を持って行ってください」。

 手紙を添えた人たちにとって、大震災で起きた不幸な出来事は決して人ごとではない。手紙には胸迫るものがあり、読ませてもらった私は「(あなたの気持ちがこもった)こいのぼりよ、泳げ」と思った。

 東近江市の学童保育所でボランティアをする男子高校生は「僕は阪神淡路大震災の年に生まれました。(中略)皆様お体は大丈夫ですか?(中略)まだ地震の痕跡が残っていると思います。(中略)他県民がそんな大きな事は言えませんが、一緒に乗り越えていきましょう。僕たちに出来ることはほんのわずかかもしれませんが」とあり、「悲しみや傷みなどを希望に変えて(中略)、遠い滋賀県から皆様のご多幸を願っております」と結んでいる。私は彼がしたためた言葉の力を信じたい。

毎日新聞 2012年05月08日 地方版

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