2012年10月29日月曜日

湖南の童話読み聞かせグループ 産経市民の社会福祉賞 滋賀

■「ちっちゃなかぜ」 代表の河野さん「評価されうれしい」

 「第38回産経市民の社会福祉賞」に、県内からは湖南市立甲西図書館を拠点に子供たちに童話などの読み聞かせを行うグループ「ちっちゃなかぜ」が選ばれた。代表の河野由子(こうの・よしこ)さん(51)は「地味な活動だが、長く続けてきたことが評価されてうれしい」と喜びを語った

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ちっちゃなかぜは昭和61年に旧甲西町(現湖南市)内の主婦3人がボランティアグループとして発足させた。同年12月には町中央公民館で初めて「おはなし会」を開催。絵本の読み聞かせのほか、わらべうたなども披露し、子供たちの人気を集めた。

 その後、公民館の支援を受けながら毎月1回程度の読み聞かせを続け、平成元年6月に甲西町立図書館(現湖南市立甲西図書館、同市中央)が開館すると、活動の拠点を同図書館に移し、現在に至っている。読み聞かせを子供に聞かそうと来ていた母親が「自分も読んでみたい」と参加するケースが増え、メンバーは一時15人まで増えた。

 平成6年に同町内に引っ越してきた河野さんも、当初は子供と一緒に読み聞かせを楽しんでいたが、幼少期に母親から読み聞かせを受けていた懐かしい記憶がよみがえり、「自分も聞かせる側になりたい」と参加を決めた。代表は毎年交代制で、現在は河野さんが務めている。

語り手が増え、絵本などをただ読むだけでなく、臨場感を出せるよう表現力にこだわるようになり、メンバーの“話術”を磨くため、講師を招いた講習にも力を入れている。
 読み聞かせの楽しさについて、河野さんは「聞いている子供たちが物語に入り込み、主人公の気持ちを共有しているのが伝わってくると、大きな充実感が得られる。子供たちの成長をみるのも楽しい」と説明する。

 平成8年からは活動の場を幼稚園や小学校、子育て支援センターなどにも拡大しており、現在は9人で読み聞かせを行っている。

 大津市の中2男子自殺など、いじめが社会問題になっているが、河野さんは「物語を通じて子供が感じたことは心のどこかにずっと残っている。読み聞かせの経験を重ねることで、相手の気持ちを理解する心も育つのでは」と話している。

2012.10.24 02:07 msn産経ニュース

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