2012年10月29日月曜日

発達障害者の就労考えるシンポ

発達障害者の就労を考える講演会とシンポジウム「福祉大会インおうみ~自立を目指して」が21日午後1時から、近江八幡市安土町の文芸セミナリヨで開かれる。発達障害者に対する理解は十分といえず、主催する「東近江発達障がい児(者)親の会」(ぶどうの会)の上野強代表(56)は「社会に出るとなると、たくさんの壁がある。共に考えたい」と参加を呼び掛けている。

 発達障害の社会的認知はある程度進んでいるものの、学校卒業後の選択肢は作業所や一般企業の福祉枠など少ないのが現状。企業で働けても最低賃金のままというケースもあるといい、ぶどうの会会員で東近江市の四十代のある母親は「正当な評価をしてほしい」と訴える。
 
 思い入れの強さやとっぴともとれる行動、コミュニケーションが不得意-。発達障害の子どもが周囲から孤立したり、からかいやいじめの対象となったり。親は日々の対応が精いっぱいで、子の将来まで頭が回らない人も少なくない。上野さんは「しんどいかもしれないが、就労の問題を早いうちに知ることが大切」と力を込める。
 
 福祉大会は第一部で、滋賀医大客員准教授の藤井茂樹さんが「就労における現状と課題」と題して講演。第二部は、八日市養護学校進路担当者、東近江市いきいき支援課担当者、保護者の代表らがパネル討論する。申し込みや問い合わせは「ぶどうの会」=電0748(23)0391=へ。

 (梅田歳晴)
 
 <発達障害> 幼児期から現れる脳機能の発達に関係する障害。自閉症やアスペルガー症候群、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などがあり、複数が重なることもある。対人関係を築くのが難しく、いじめられたり虐待につながるケースも。一方で、優れた能力を発揮する場合もあり、障害に対する社会全体の理解が求められている。


2012年10月13日中日新聞ネット版

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